*Beastっぽい配役ですが微妙に違います。
敦くんと芥川くんの立ち位置だけ入れ替わってるという感じでしょうか。
設定的には原作基盤、ポートマフィアの首領は森さんで、
織田さんを捨て駒にして異能許可証を得ようとした森さんにご立腹した太宰さんは、
4年前にマフィアから離脱し、戸籍を洗ってののちに陽のあたるところで生活を始めております。
孤児院で虎の異能持ちなのがばれた敦くんはそれを聞きつけた森さんに拾われていて、
早い時期からポートマフィアの一員で、
太宰さんに育てられたのでちょっとばかし(?)別人はなはだしい性格になっとります、すいません。
一方、芥川さんは、原作の敦くんと太宰さんの出会いをなぞったらしく、
貧民街の吠えぬ禍狗と呼ばれていた異能者でしたが、
周囲からの反発に妹さんまで巻き込みたくなくて逃げ出したところ…という感じでしょうか。
ねぇねぇ、そこのお兄さん。
ずっとそこで立ってるよね。
誰かと待ち合わせなのかな?
でももう1時間近く、ずっと立ってるよね、一人で。
もしかしてお相手が大遅刻?
電子端末(スマホ)に連絡もなし?
でも、時計とかスマホも見ないままでいるよね。
いつもこうなの?
お相手さんって薄情なの?ルーズなの?
今日はちょっと寒いよね、雨上がりで。
春物ではあるようだけど、
そんな長い外套着てるくらいだもの、それは判ってたって感じかな?
そうまで準備してた待ち合わせなんだろけど、
だったら猶更、ここにずっと立って待ってなきゃいけないのかな。
お相手に連絡入れてさ、近くのカフェで暖をとってますってしない?
でないと風邪ひいちゃうよ?
お兄さん細っそいしさ、あんまり体が丈夫じゃなさそうだしさ。
その…ボクだと釣り合わないとかかな?
こんなガキっぽいの、一緒にいるのは恥ずかしいとか?
いきなり話しかけて、ナンパみたいかもだけど、
でもさ、お兄さんが心配で、あのその…。
「…判ったからもうやめろ。///////」
最初は離れたところにいた彼で。
相手をちらちら見やっていて、
どうしたものかとちょっぴり迷っていた風だったのが、
うんと思い切ったか、とことことすぐそばまで寄ってって、
何のかんのとアピールしまくる色白な可愛い系の美少年と。
知り合いとかではないものか、
リアクションもない寡黙な様子が素っ気なく。
イマドキはやりのダウナー系かと思われたが、
ようよう見ればそちらもなかなかに容姿の整った美青年ときたもんで。
そんな二人のやり取りはさして声を張ってたわけでもなかったが、
それでも結構な見栄えの二人であったせいだろか、
それとも銀髪の少年の切々とした様子にときめきを覚えた人が多かったものか。
お忙しい通勤通学の人らはともかく、
ショッピングモールへの御用で来ていたのだろう人たちが
少しずつながら出ておいでの時間帯。
そちらも待ち合わせにと立ってたところへの面白い光景として、
好奇心からだろう遠巻きながらも注目を集めまくっていたらしく。
「もしかして張り込みだったとか?」
話しかけられて衆目が集まったのに困っちゃった?と、
声をひそめてこそっと訊いた、銀の髪した虎の子くんへ、
「…そういうんじゃあないが…。」
ここに居合わせたのがお仕事にかかわる行動ではあったらしく、
なので、言ってしまっちゃあいかんと、
否定も肯定も出来ない彼なようで。
嘘も誤魔化しも出来ぬまま、
言葉に詰まってしまうところがちょっとまだまだ。
そちらさんも色白な頬をやや赤くして、
切れ長な双眸をゆらゆら泳がせてしまう芥川なのが、
“……かわいいなぁvv”
自分より2つほど年上だし、
親もなくの妹さんとたった二人で貧民街にいたそうだから、
一応はいろいろと修羅場の場数も踏んでる人なのは知っているけれど。
それでもマフィアという魔窟で育った敦と比すれば “一般人”だったようなもの。
その身に帯びた“羅生門”も武装として鍛えれば必殺の異能だろうに、
最近は日常の生活での利用のほうが多いらしいとあって、
“ホント、そのままでいてほしいなぁ。”
朴訥で不器用で、ちょっと頑迷で。
妹さんの幸せな将来のためにと頑張ってるお兄ちゃんで。
早いうちに武装探偵社に居場所が出来てよかったねと、
パーカータイプのアノラックの上着、
フード部分をくしゃりと畳んで襟巻みたいにしているところへ、
細い顎先をうずめ、
ふふーとこっそり笑った虎の子くん。
自分の“お務め”の遂行後、たまたま見かけた顔見知りが気になって。
ここからほど近い廃工場にて、
自分が畳んだ仕儀を遅ればせながら察知しての対処だというのなら、
とんだ無駄足を踏ませることになろうし、
こんな寒いところで地道に立ちんぼさせるのも気の毒だ。
密輸武器の取り引きに関わった破落戸どもは、
ボクらが奇襲をかけて取っ捕まえてご破算にした上で
見せしめもかねて廃桟橋にて晒してますよと、
ジャケットのポケットの中、器用な手探り打ちで太宰へとあててLineを送った。
それへのお返事の…いやさ新たな指示としてのLineが来たものか、
慌ててスマホへ応対する細っこい背中を横目で眺めつつ、
緋色の花が咲き始めているつつじの茂みに顔を向け、
のんびりとお誘いへの返事を待つ敦くんだったりするのであった。
〜 Fine 〜 26.04.23.
*今度こそ、いつもの「月下の孤獣」でございます。笑
個体能力が桁外れなので、相変わらず単独任務が多い敦くんですが、
そんなせいか融通も利くようで、
視野に入った気になるお人をついついナンパも致します。(笑)

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